日本で唯一!?地元消防団員で作る素人劇団「劇団 箸消(はせしょう)興行」。
私たちの活動内容、地元集落の話題などを紹介しています。
| 景観むらづくり協定締結にあたって |
「戦前と戦後、とりわけ戦後50年の歩みのなかで、地域生活が激変していることを改めて実感した」とは、ふるさとの軌跡を綴った地域史誌「箸荷村落史」をとりまとめた先達の言葉です。いま私たちは夢想だにしなかった豊かな生活を享受していると言われます。しかしながら、心の片隅で「これで良いのか」「本当に豊かになったのだろうか」と、だれもが疑念を抱いているのではないでしょうか。その不安が心豊かな社会の創出への希求となり、その実現が強く望まれています。
温故知新、連綿と綴られた先人の営み、集落形成に対する先達の努力、その一つひとつを「箸荷村落史」に伺うことができます。そして、その永い歩みを受け継いで形成された豊かな地域社会の実現への行動は、「箸荷村落史」そのものであり、消防団の若手らが復活させた「村芝居興行」、平成10年1月に兵庫県さわやか街づくり賞を受賞した「箸荷花くらぶ」の活動等、むらづくりの美風として見ることができます。
箸荷地区ではこのように、地域づくり、美しい集落づくりが盛り上がるなかでさらに豊かな地域社会を実現しようと「景観むらづくり」が始まりました。
ここには、なーんにもないんです。
箸荷には、自然の豊かさに依拠した清潔で整った集落景観、集落を取り囲む緑の空間、健全な地域文化の継承があるだけです。しかし、そこから導かれたむら里の風景には、“安心、懐かしさ”等の情感をおこさせる力があることを理解しました。先達の永い歩みのなかで形成された、この日常の何げない風景(美風)を私たちは、継承し、発展させる姿勢が重要であると考えます。箸荷に暮らす者は、このむら里を誇りをもって次代に引き継いでいけるように、景観むらづくりにあたっての協働の指針を互いに確認し、ここに景観むらづくり協定を締結します。
(目的)
(名称)
第1条 ■ ■この協定は、第4条に定める箸荷地区において、魅力あるむら里風景を継承し、心と美しい景観がふれあう、豊かな“わがむら”を形成するために、建物や土地の修景あるいはこれと関連し景観形成に資する事項を地元関係者間の合意形成を基本に取り決め、地区の総合的な環境の向上を図ることを目的とします。
(協定の締結)
第2条 ■ この協定は、加美町箸荷景観むらづくり協定(以下「協定」といいます。)と称します。
(協定の対象とする区域)
第3条 ■ ■この協定は、第4条に定める箸荷区域内の建築物、その他の工作物(以下「建築物等」といいます。)または土地を所有し並びに管理し、または占有する者のうち3分の2以上の者の合意により締結します。
(むらの景観像)
第4条 ■ ■この協定の対象となる地区(以下「地区」といいます。)の位置および区域は次のとおりとします。
■■多可郡加美町箸荷地区の区域で、協定地区区域図表示(別図1)のとおり。
■■区域面積 約254ha
(景観むらづくりの原則)
第5条 ■ ■次に掲げるむらの将来の景観像を、協定者が共通に認識し、その実現および維持・保全に向け努力していきます。
(1) 集落と取り囲む緑が調和した手づくりの風景をつくります。 (2) 良い風景や景観を見る目(心や感情)を養い、むら独自の風景観に磨きをかけていきます。 (3) 箸荷むらづくり館(仮称)を創設し、これを核とした持続性のある景観むらづくりの活動を行っていきます。
(景観形成への配慮)
第6条 ■ ■景観像の実現を目指し、豊かな自然や暮らしの営みが蓄積された集落景観、むらの農村文化を継承する豊かな心を育成し、かつ発展させるために、次の各号に掲げる原則と心構えに配慮します。
(1) 「こじんまりとしたむら里のたたずまいをつくる」
心構え1: なだらかな盆地状の傾斜地形を大切にし、小振りなつくりとする。 心構え2: ヒューマンスケールを中心に、細やかな配慮に心掛ける。 (2) 「開放感のある景観の連続性を大切にしていく」
心構え3: 囲われた緑や周囲と連続した調和を大切にしていく。 心構え4: 日と影の恵みと四季性豊かな彩りを大切にする。 心構え5: 開放感のある美しい眺めを育てる。 (3) 「自然な風合いで覆っていく」
心構え6: 懐かしさのある固有の素材感や風合いを持ち込む。 心構え7: 外に向かってやさしい、かたちや素材を取り入れる。 (4) 「協働による魅力ある景観むらづくりに取り組む」
心構え8: ふれあう花や緑、チャームポイント等、やさしく道案内するものを置き、もてなしの心を大切にする。 心構え9: 高齢者から地区の自然や歴史、文化を学び、次代を担う世代に伝授していく。 心構え10: 人が集まれば、実践的なアイデアも生まれ、着実に実行が期待できる。協定者は積極的に協働に取り組むものとする。
(コンクリート造や集合住宅の自粛)
第7条 ■ ■地区内で建築物等の新築、増改築、大規模の修繕、取り壊し、宅地の造成、その他の土地の形質の変更、木竹の伐採、その他景観の形成に影響を及ぼす恐れのある行為をする者は、前条に定める景観むらづくりの原則に配慮し、別表1に示す景観むらづくりのルールに適合するよう努めます。
(敷地の緑化等と維持・管理)
第8条 ■ ■地区内で建築物等を建設する場合、陸屋根のコンクリート造りや集合住宅その他鋼構造の大型構造物は自粛し、地区環境の悪化を防止するように配慮します。
(その他の活動)
第9条 ■ ■協定者は、自己が所有もしくは管理しまたは占有する敷地の緑化に努めます。
2 ■ 空き地や屋外駐車場については、敷地周辺の緑化等、修景に努めます。 3 広告物や自動販売機を設置する場合は、景観の阻害にならないよう、広告物にあっては大きさ、意匠、表示方法に配慮し、自動販売機にあっては覆いをするなど配慮します。 4 協定者は、自己が管理しまたは占有する敷地や農地または建物について、いつまでも美しい状態を維持・保全するよう努めます。
(委員会)
第10条 ■ ■協定者は、「箸荷花くらぶ」の活動や「村芝居興行」、清掃活動等、その他地区内のむらづくりに関わる活動を互いに協力して推進します。
第11条 ■ ■協定の運営に関する事項を処理するために、箸荷むらづくり委員会(以下「委員会」といいます。)を設置します。 (役員)
第12条 ■ ■前条で定める委員会は、委員若干名により構成します。
2 ■ 委員は、第4条に定める区域内の役員、老人会、婦人会、消防団、箸荷花くらぶ、年代別親ぼく会等の組織、および企業を代表する者とします。 3 委員会には、学識経験者等の顧問を置くことができます。
(役員の任期)
第13条 ■ ■委員会には次の役員を置きます。
委員長 ■ 1名 副委員長 1名 会計 1名 監事 2名
2 ■ 役員は、委員の互選により選出します。 3 委員長は、委員会を代表し、協定運営の業務を総括します。 4 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故あるときはこの職務を代行します。 5 会計は、委員会で決定された予算に基づいて一切の会計を処理します。 6 監事は、会計を監査します。
(事務局)
第14条 ■ ■役員の任期は2年とします。ただし、役員は再任することができます。
(会議)
第15条 ■ ■委員会にはその事務を掌理するために、事務局を置くことができます。
2 ■ 事務局は、委員長が任命するものとし、委員との兼務を妨げません。
(建築行為等にあたっての相談)
第16条 ■ ■会議は、委員会、役員会とし、委員長が招集します。
2 ■ 会議は協定者の請求により開催することができます。
(有効期間等)
第17条 ■ ■地区内で第7条に係る行為をしようとする者は、事前に委員会に相談しなければなりません。
2 ■ 委員会は、前項の相談を受けた場合、建築行為等の計画内容が本協定に適合することを確かめなければなりません。
(雑則)
第18条 ■ ■協定の有効期間は、第20条で定める日から10年間とします。
2 ■ 10年後にこの協定について変更、廃止の必要がないときは、さらに10年間継続とします。 3 この協定について変更、もしくは廃止する必要が生じたときは、協定者の総意を計ったうえで委員会が定めるものとします。
(附則)
第19条 ■ ■この規約を実施するうえで必要を生じた事項は、委員会の決議を得て、内規として定めることができます。
第20条 ■ ■この協定は、平成12年12月1日から有効とします。